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グルテンフリーと米粉の魅力

グルテンフリーとは?新基準のノングルテン米粉についても解説

こんにちは。米粉の国店長の山本です。

みなさん、グルテンフリーという言葉をご存知でしょうか?有名人や海外セレブ、アスリートの間で、注目を集めている欧米発の新しい食のスタイルです。この記事では、グルテンフリーの基礎知識を分かりやすくまとめ、最新の日本のグルテン事情についても解説していきたいと思います。

グルテンフリーとは?

グルテンフリー(gulten free)とは、グルテンを含む食品を摂取しないようにする食のスタイルで、欧米を中心に浸透している価値観のひとつです。日本では、あまり一般的ではなく、耳慣れない方も多いかもしれません。

そもそもグルテンとは?

グルテンは、小麦やライ麦、大麦などの多くの穀物に含まれている複合たんぱく質です。長い鎖状のグルテニンと、短くて丸いグリアジンという2種類のたんぱく質が結びついて、網目構造を形成しています。グルテンの網目構造は特有の強さと弾力性を持っており、うどんのコシやパンの膨らみなどは、グルテンの性質を利用しています。

私たちが普段、美味しいと思って食べる小麦製品は、ほぼグルテンが含まれています。しかし、グルテンを摂取すると、健康に問題を起こす方が世界中にたくさんいるのです。その代表的な疾患のひとつが、全身性の自己免疫疾患であるセリアック病です。もともと、グルテンフリー食は、セリアック病患者のための食事療法として生まれました。セリアック病の治療では、厳格にグルテン除去食を順守する必要があります。(参考:セリアック病について

日本におけるグルテンフリーの状況

セリアック病患者の食事療法

小麦食が中心の欧米では、セリアック病の患者数が多く、グルテンフリー食品を必要とする人たちがたくさんいます。一方、日本では、グルテンに関する症状といえば小麦アレルギーが中心であり、セリアック病という病名さえ、ほとんど知られていない状況です。

2021年に、日本人におけるセリアック病の有病率は 0.05%程度(約2000人に1人)という調査結果が出ています。欧米の場合、有病率が1%(100人に1人)と言われているので、日本では比較的まれな症状といえるかもしれません。セリアック病患者は、医師の指導の元、グルテン除去食(Gluten Free Diet:GFD)という食事療法に取り組まれます。(参考:論文

小麦アレルギーの方のためのグルテンアレルギー表示

日本で、グルテンフリー食品を必要としているのは、主に小麦アレルギーの患者さんです。2020年の食物アレルギーの調査によると、小麦アレルギーは卵、牛乳、ナッツに続いて4番目に多く、また、18歳以上の大人になってから発症する人が最も多いという結果が出ています。(参考:消費者庁による食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業

食物アレルギーは、かゆみやむくみ、じんましんなどの皮膚の症状、呼吸困難、腹痛・下痢などの消化器官の症状など、さまざまな症状がおこります。また、アナフィラキシーショックのように命にかかわることのある激しい症状が出ることもあります。

そのため、日本では、食品表示法にて、食物アレルギー表示について定められています。小麦はアレルギー物質の中でも、特に症例数が多く、重篤度の高い「特定原材料」に指定されていて、小麦が含まれている食品はその旨の表示が義務付けられています。

小麦アレルギー疾患者はグルテン含有量が 10ppm 以上になると発症率が高いとされ、日本国内の表示制度では 10ppm を小麦アレルギー表示をする境目としています。一方、欧米を中心に制定されている国際的なグルテンフリーの基準は、グルテン含有量が20ppmとされています。つまり、グルテンフリーといえど、小麦アレルギーの方は食べることができない食品もあるのです。(参考:米粉製品のグルテン含有と欧米・国内の表示制度

私たち米粉の国は、ERISA法による検査を行い、グルテン含有量が10ppm以下の商品のみをグルテンフリーと称し、米粉の国のオリジナルマークでその数値を表示することにしています。小麦アレルギーの方でも笑顔で食べられるグルテンフリースイーツ開発を目指しています。

こちらもどうぞ:米粉の国のグルテンフリー検査について

ノングルテン米粉は海外に向けた輸出用基準

2018年6月から、世界最高水準のグルテン含有量「1ppm以下」の米粉を認証する「ノングルテン米粉第三者認証制度」が始まりました。もともとグルテンを含んでいない国産米粉を、世界最高水準の検査法でノングルテンだと認証することで、海外のグルテンフリー市場にアピールする狙いがあります。つまり、多くは輸出用の認証制度です。

ノングルテン⽶粉認証取得の家庭⽤商品としては、「彩のかがやき⽶粉パウダー」が、大手スーパーにて、唯⼀全国で販売されているそうです。

「ノングルテン米粉」は、米粉についての認証制度であり、食品全般に関するグルテンフリー表示基準ではありません。今後、日本国内でのグルテンフリー食への関心が高まるにつれ、グルテンフリーについても新たな表示基準が設けられるかもしれませんね。